Home > 本 Archive

本 Archive

ヘイルシャムの庭から池尻大橋の指先へ ――映画「わたしを離さないで」の感想

  • Posted by: KAJKEN
  • 2011年2月12日 12:19
  • 映画 |

今年は会社が積極的に海外事業を拡張しているせいもあって、
出張の機会がやたらと多いのですが、
その恩恵を受けて国際線で映画ばかり観ています。

小さなスクリーンで観る映画は、物足りないっちゃないんだけど、
それでもまとまった時間が持てて、最新作を観れるということは、
この前のめりがちな生活の中で、悪くない息抜きになります。


と、いうわけで、
今回は映画化のニュースを聞いた時から心待ちにしていた、
カズオ・イシグロ著、現代文学の最高峰にしてマスターピース、
「わたしを離さないで」を観ました。


Continue reading

振り返れば女流

  • Posted by: KAJKEN
  • 2010年4月27日 22:10

時折、「ちょっと、やだ...誰かアタシのこと尾行してる?」って
夜道を振り返るようなタイミングで読みたくなるのが女流作家で、
普段まったく読まないくせに読むと、「おお、この感じ」と思って
毎度それなりに得るものがあります。

最近読んでいるのは、絲山秋子です。

Continue reading

強大なる民衆の力 村上春樹によるチェーホフ救出劇

  • Posted by: KAJKEN
  • 2009年8月16日 21:49

復刊ドットコム、というサイトをご存知でしょうか?

既に廃刊になっている本について、
インターネット上で、署名(のようなもの)を集め、
一定数に達したところで出版社に復刊を依頼する、という
ネットの分散協調性をうまくつかんだ、わりと志高いサイトです。

まだロングテールなんて言葉がなかった2001年頃から、
既にあったように思います。

さて、なぜそんなことを覚えているかと言うと、
僕はこのサイトである本の復刊に署名したからです。

Continue reading

夏と書籍 -- 高橋洋二と森下賢一と江藤淳とカポーティ

  • Posted by: KAJKEN
  • 2009年8月16日 14:50
  • 季節 |

ごぶさたしてます。
残暑お見舞い申し上げます。

いやー、すっかり夏の盛りにblogを書かぬままに過ぎてしまいました。

と、いうのも、Twitterがラクチンで、
ちょこちょことそっちにかまけていたせいでもあります。

1年前に登録した時には、何が面白いのかまるで分からなかったけど、
今年に入ってから急に人が増えてきて、楽しくなりました。
今はすっかり手軽な情報メディアのひとつとして利用しています。

Kajken on twitter

ま、フジロック(いわゆる音楽素人を連れて行くフェス問題)とか、
S&Gのドーム公演(いわゆる60's音楽と親孝行問題)とか、
マイケル・ジャクソン追悼会(いわゆるいちファンとして正しい追悼の在り方問題)とか、
ここに書きたいことは色々あったんだけど、
なんか過ぎちゃった感あるので、最近読んだ本の話でも。

Continue reading

一日でいちばん素晴らしい時間 (R.E.Mを聴きながら)

  • Posted by: KAJKEN
  • 2009年7月 8日 22:17
  • | 音楽

涼しい夏の宵。

開いた窓。

燃える灯火。

ボウルの中の果物。

僕の肩に置かれた君の頭。

それが、一日のうちで一番幸福な瞬間。

それにも勝るのが、言うまでもなく、

早朝の時間。それから昼ごはんの前の

ちょっとしたひととき。

それから午後だって、

それから夕暮れの時間だってある。

けれども僕はこういった

Continue reading

1Q84読了

  • Posted by: KAJKEN
  • 2009年6月 8日 22:29

村上春樹の最新小説を、発売と同時に日本語で読める僕たちは本当に恵まれている。

日曜日の朝、BOOK2の残りの半分を一気に読んで、
胸が熱くなった。

思いついたことをただ書いてるっていう感想レベルで、大したネタバレでもないけど、
できれば以下は本を読み終わってから読んでください。

Continue reading

ポストイ

  • Posted by: KAJKEN
  • 2009年4月 7日 20:59
  • モノ |

このサイトでー、読者歴がぁー、
4年をー、こえるようなー、彼氏彼女にはー、
ぼくがー、わりかしー、
本好きだとー、ゆーことがー、
知られてるとー、思うんだけどー。

このサイトでー、
報告こそー、してないもののー、
ぼくわー、だいたいー、
週にー、じゅっさつからぁ、じゅうごさつほどぉ、本をー、読んでいてー。

て、あの、どうでもいいけど、この喋り方ヤメてもいいすか?

Continue reading

きちんと、遊ぶ

  • Posted by: KAJKEN
  • 2009年3月29日 22:38

週末は、ふたつの結婚披露パーティをはしごする。
前職の先輩@中目黒と小学校の同級生@西新宿。
一日で2つのパーティに出る俺、さながらパーティモンスターのよう。

Continue reading

赤めだかの次にどうするの?

  • Posted by: KAJKEN
  • 2009年2月22日 21:45

このサイトを読んでいる聡明なる諸氏におかれましては、
名著『赤めだか
』は昨年のうちに読んでいることと思う。

きっと、あの本を読んだ人なら少なからず、
「落語ちょっとよさげやん」とか「立川流の高座を聞いてみてぇな」なんて、
ちらりとは思ったのではないだろうか。

にしてもいざ落語を聞きにいくってのは、
なかなか腰が重いものである。

そこで、『赤めだか』を入り口とした、
インドア読書家的落語のススメをしてみたい。

Continue reading

シャルロッテのハイ・コンテクスト

20081117lotte.jpg

ふと気がつけば、残業用に買いためているお菓子の大半がチョコレート。こんなところにも季節の移ろいを感じる今日この頃です。

と、俵万智感覚で、素晴らしく的確に季節感の表現をしている友人がいて、
僕はどうにかして、この文章を縮めて俳句にしたいなぁと四苦八苦していたのですが、
そんな間に、いつしか引き出しの中は本当にチョコレートばっかりになってきました。

で、今日試しにロッテの『シャルロッテ』というチョコレートを購入してみたのですが、
このチョコレート、実はCMを見てとても気になっていたのです。

Continue reading

全力失笑

  • Posted by: KAJKEN
  • 2008年11月 6日 21:42

家事って苦手ですよ。

そもそも自分が家事してるって意識した事がない。

たまに部屋を掃除してみる。
クイックルワイパーで床を拭く。

あるいは、洗濯をする。
大事なものはドライで回して、
エマール入れて、ちゃんと襟や袖口を叩いてから干す。

それぐらいは僕にだってできる。

でもそういうのが家事だって思った事はない。
それを家事だなどというのはおこがましいってもんだ。

だってそれは家事という名の戦場の最前線をはっている
プロフェッショナル主婦の方々から見たら、
「ぜんっぜん甘い!」と一喝、後方から即撃たれても文句は言えないような
レベルでしかないのだ。

だから家事という名の戦場の----ていうかまあ、家事ね・・・
から遠ざかってきた僕なんかは、これまでただ漫然と生きて来た訳だ。


がしかし、僕は奮起した。

いまは単なる不甲斐ない人間ではあるが、
このまま家事をやらないと、本物のダメ人間になると。

そして購入した本がある。

それがこれだ。

Continue reading

神保町日和、そして「ありマジ」観劇

3連休の2日目は、神田古本まつり。

街はすっごい混んでいたけど、案の定、可愛い女の子はあまりいない。
もはや読書好き女子などというのは、太古の幻想にすぎないのか。
いや、そもそもそんな娘など初めから存在しなかったんじゃないか--。

誰かを探すように、本を探しに行く。

Continue reading

誰かの人生

今日、昼に街を歩いていて、気づいたら秋だった。

9月24日ってったら、まあ、
彼岸も過ぎて立派な秋なんだけど、
こっちは9月のあいだ中ずっと、
カリフォルニアの残光を探しているうちに、
いつのまにか季節まで見失ったみたいだった。

で、当たり前のことなんだけど、
秋の始まりってことは、
つまり夏が終わったということです。

僕は、昨晩たまたま2007年の夏のはじめに買った、
曽我部恵一の『Blue』というアルバムを聞きながら、
部屋でごろごろ本を読んでいたんだけど、
アルバムの中の『夢を見ていた午後』という曲が
異常なまでに沁みて、
あれ、なんだっけこれ?と軽く狼狽しちゃったんだけど、
つまりあれだ。

夏の終わりに相応しい曲を、
まさしくその瞬間に聞いてしまったってことだ。

Continue reading

The Great Escape is coming back!

  • Posted by: KAJKEN
  • 2008年8月29日 09:20
  • 季節 |

くっ、、、なんていう蒸し暑さだ・・・。
俺はまるで小龍包にでもなった気分だぜ。

といった具合に帰国早々、湿気にやられてくさくさしてますが。

27日午後4時頃に、日本に戻りまして、
今は実家の文京区千石近辺を中心に恙無く活動を再開しております。

Continue reading

桐野夏生と江國香織と宮部みゆきと角田光代と吉本ばなな

  • Posted by: KAJKEN
  • 2008年6月16日 14:20

virgin.jpg

女流って高校生ぐらいの頃は敬遠してました。

なんか共感できないし、結局恋愛話ばっかだし、、、
とずいぶんうがっていたのですが、
そんなことだからいつまでたっても女の人の気持がわからないんじゃねぇか、と
はたと思い、よく読んでみました。

Continue reading

逆土産で生活するパターン

友人たちが訪れた後の我が家は、
彼らが置き土産として残してくれた和モノが一杯で、
東京に居た頃よりも、むしろ日本ぽい。

みんなが持ってきてくれた品々を例にあげると例えば、、、

食品関連

・とらや 「残月」と「御代の春(最中)」セット
・うめぼし
・珍味各種(茎わかめ/かわはぎなど)
・レトルト食品各種(柳川鍋など)
・ちんすこう しお味
・大吟醸 玉乃光
・奄美黒糖焼酎 れんと
・鹿児島芋焼酎 篤姫

カルチャー関連
・川上未映子 『わたくし率イン歯ー、または世界』のサイン本
・立川談春 『赤めだか』
・伊坂幸太郎『グラスホッパー』『死神の精度』
・堺屋太一『日本を創った12人』
・桜庭一樹『私の男』
・宮部みゆき『誰か』
・サイゾー5月号
・AERA 5/12号
・宇多田ヒカルCD『HEART STATION』
・柳家喬太郎CD『落語集 アナザーサイドVol.1』
・立川談志×太田光DVD 『笑う超人』
・フランク・ミュラー CRAZY HOURS COLOR DREAMS

などなどなど。
これだけで、もう十分生活できます。

こちとらは西海岸に連れてきちまえば、あとはほっといたって、
すげーすげーつって勝手に喜んでくれんだから、これはボロい商売である。

大好きな最中を日本茶に合わせつつ、
虹色バスをくちずさんで、
最新の直木賞作品を読めるんだから、
日本にいるときより居心地いいわ。

なんつって。
海外生活者のツボを押さえまくってる皆さん、
本当にありがとうございました。

ある落語家の半生 *「赤めだか」 立川談春

  • Posted by: KAJKEN
  • 2008年4月 6日 12:56

4月11日にいよいよ、
立川談春氏の自伝的エッセイが発売されます。

en-taxi連載時には『談春のセイシュン』としていたタイトルも、
赤めだか』という趣きのあるものになりました。

このエントリーにも書いてたけど、
en-taxi誌での連載を欠かさず読んでいたので
発売を前にして内容はだいたい掴んでます。


そんでもって断言するけど、
この本は、はっきりいってものすごいよ!

Continue reading

「彼方からの手紙」から。 *「サマーバケーションEP」 古川日出男

  • Posted by: KAJKEN
  • 2008年3月27日 07:55
  • | 音楽

で、歩くといえば、
古川日出男氏の『サマーバケーションEP』。

歩くことが持つある種の浄化作用をうまいこと小説化した実に見事な傑作です。

Continue reading

神様を信じる強さを僕に。 *『プレイバック』

  • Posted by: KAJKEN
  • 2008年3月19日 13:28

私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする小説は、
実は意外に多くなくて、全部で10作品にも満たない。

そして未完に終わった『プードル・スプリングス物語』を数えなければ、
この『プレイバック』が、遺作ということになる。

Continue reading

洋モノ Wallpaper* THE DESIGN AWARDS ISSUE 2008

20080304.jpg

たまには、英語の雑誌なんかも気分で読んでます。
日本でも人気の『Wallpaper*』誌、
第107号は、THE DESIGN AWARDS ISSUE。



Continue reading

新雑誌『エクス・ポ』のこと

  • Posted by: KAJKEN
  • 2008年1月22日 14:17

20080122.jpg
佐々木敦氏の個人編集による新雑誌『エクス・ポ』が
はるばる海を越えてやってきた。

Continue reading

「痴漢は死ね」 ー ゴールデンスランバー

  • Posted by: KAJKEN
  • 2008年1月 7日 14:32

どーれ、今年になったことだし、
ネズミ級の素早さでさっそく更新しちゃいますよー。

Continue reading

文学 COTY2007

  • Posted by: KAJKEN
  • 2007年12月31日 13:26

■文学

20071231lay.jpg20071231niji.jpg20071231pork.jpg

Continue reading

Put the book back on the shelf 3

  • Posted by: KAJKEN
  • 2007年11月22日 11:04

20071121.jpg

こちらに来てからも、暇さえあれば本屋に行く身軽さでもって生活してます。
大抵の本屋にはスタバやシアトルズ・ベストが併設しているので、
カップ片手にブラウジングできるのも嬉しい。
日々ちょこちょこと本棚を埋めている次第です。

買った物の中から面白かったものを。

Continue reading

ポプシクルのこと

  • Posted by: KAJKEN
  • 2007年10月28日 17:10

被災しましたが、おかげさまで無事です。
今日は夕方にぱらりと雨が降ったので、
もう火の心配はなくなったと思われます。
いつものように平穏な土曜日を過ごすことができました。

どれぐらい平穏かって、
14時くらいにホットケーキ食べて昼寝しちゃうくらい平穏。
ハロウィンに子供たちが訪ねてきた時用の
お菓子を思わず開けちゃうくらい平穏。
ニコ動でチーターマンのラップに微笑めるくらい平穏。

そんな雨降りの午後だったのですが、
たわいもない発見があったので、そのことを少し。

Continue reading

ヴォネガットさん、亡くなる

  • Posted by: KAJKEN
  • 2007年4月13日 23:52

半分ぐらいしか聞き取れないけど、
この文体はなじみが深い。

村上春樹を通じて知った、多くのアメリカ文学。
リチャード・ブローティガン、スコット・フィッツジェラルド、レイモンド・カーヴァー。
そしてカート・ヴォネガット。

読書の習慣

  • Posted by: KAJKEN
  • 2006年11月15日 19:09

秋だし、あんまり忙しくないので本ばっかり読んでます。

最近のおすすめは、スコット・フィッツジェラルド
『グレート・ギャツビー』の村上春樹新訳版ですかね。

僕は高校生の頃に野崎 孝氏の訳で読んで、今イチ内容が理解しきれず、
そのあと文京区立千石図書館でロバート・レッドフォード主演の
映画のVHSまで借りて見た覚えがあります。
あらためて読むと、当時とはまた違った、というか
まったく異なった不思議な懐かしさもあって、感慨深かったです。

春樹氏の訳者あとがきを読むと、この本に対する特別な想いが伝わってきて
それもまたなんだかやる気がでます。

『グレート・ギャツビー』は村上春樹氏の生涯最も影響を受けた一冊、
としてよく知られていると思うけど、
まあ、作家というのは得てして読書家なものです。

WEB『本の雑誌』のサイトに、作家の読書道というコーナーがあって、
毎度なかなかなメンツで楽しませてくれます。
これを見ていると、
子供の頃はみんなSFやシャーロックホームズを読んでて、
筒井康隆を通りつつ、フランス文学とか日本の戦後文学に流れるってのが
すじなのかなぁって考えちゃったりします。
読書歴は確実に文章に影響を与えると思うので、
読んでいて面白いです。

たまに、吉田修一が島田雅彦に影響受けてんだ!とか、
綿矢りさたんヴィレッジ・ヴァンガードで本買ってんだ!とか
岩井志麻子、ポートレイトからして怖ぇ!とか
そういう発見もあって、それがまた楽しい。

いくつか、僕のおすすめを。


中原昌也の読書道

町田康の読書道

小川洋子の読書道

吉田修一の読書道

綿矢りさの読書道

岩井志麻子の読書道

ちょっと古めの喫茶店に行って、
コーヒーでも飲みながら、2人黙ってゆっくり読書。

そんなデートが、今、したいなー。

謀略のシミュレーション

  • Posted by: KAJKEN
  • 2006年11月 8日 13:37

短編ミステリの名手、ジャック・リッチーの待望の新刊、『10ドルだって大金だ』


クールでクリスプな文体。
スマートかつ人間的な登場人物。
そして、行われる犯罪の数々が実にエスプリが効いている。

帯のコピー「優雅な殺人、洒落た犯罪」は言いえて妙。

気軽に読める短編集だから、
天気のいい休日に、原宿あたりのカフェでジンリッキー(⇒ちょっと作者の名前と似てる)
でも飲みながら、のんびりページを繰りたいものです。

respect / en-taxi

  • Posted by: KAJKEN
  • 2006年10月10日 20:33

僕はen-taxiを創刊以来欠かさず買っている者として
読者のみんなにはよく知られていると思うが、
実はそのen-taxi、前号で大幅リニューアルをしたのですよ。

その結果、500Yenというワンコインプライスから、
880Yenといういきなりの暴挙、超高額にはね上がり、
おいおいざっけんなよと思ったりもした。

だが、今号(2006 AUTUMN号)はそんな僕の怒りを
雲散霧消するに等しい内容だった。

巻頭の井上陽水×リリーさんの対談に始まり、
大竹伸朗大特集(feat. みうらじゅん)
談志・しりあがり寿他の笑い論
小野瀬族生(CKB)の”懐食”エッセイ
中山康樹のビーチボーイズ・ストーリー
浅田彰の『カポーティ評』
GREAT3片寄のコラム
etc...

特に大竹伸朗を
僕は過去にこの雑誌で初めて知り、
今さら著作を何冊か読んでいたのだが
彼の全景展にかける想い、ひいては芸術に注ぐ情熱はすさまじい。

なんというか、
生活のすべてをアートに捧げている生き方、その想い。

そのぶちまけられたペンキみたいな感情を
感じることができる今回の大特集を読むだけでも、
この1冊を買う価値があると思う。
(オリジナル・ポストカードもついてるし)

特集の組み方といい、登場するゲストといい、
本当にいい雑誌を手を抜かずにつくっているなぁと
いつも感服してしまう。

新しいことや変わったことではけっしてないけど、
「今、ある事象をこう取り上げるぜ、俺たちは」
という切り口やスタンスを忘れない編集同人の姿勢には、
ホントに頭が下がります。

エロ教授

  • Posted by: KAJKEN
  • 2006年9月29日 18:01

ロハスな生き方を提唱する教授こと坂本龍一氏が
最近特に力をいれているのが実はエロハスだということを知って
僕はびっくりでした。

やれエレファンティズムだのやれ非戦だの言っておきながら
結局は「こちら側」にきたか、という印象。


で、「エロコト」編集長だと。


「エロい女は存在そのものがエコである」
だと。

その物言いはバカだし、
これだけ見ると女性をバカにしているとしかいいようがないのだが...。


表紙にはエロをどうにかしておしゃれにしようとしてきた歴戦の戦士たちの名前が。

江口寿史
リリーフランキー
常盤響
・・・

そしてアートデザインは信藤さんっていう...。

これはもはや、
エロをおしゃれ化しておっさんたちが悪いことしようとしているとしか思えん。

内容はまだみてないのでなんともいえないけど、
そして、僕は本来、バカもエロもこの本に参画している人たちも好きだけど、
この本にはちょっとやな悪ノリを感じてしまった。

ていうか、百歩譲って参画しているみんなはいいけど、
坂本龍一がエロハスゆったらまずいだろ。
今までのロハスなんだったんだと、思うわけです。

思うに、教授は焦ったんじゃないだろうか。
「エロ教授」という代名詞をミラーマン植草教授に
奪われてしまったことに。
だとしたら、この雑誌の発刊はあまりに迅速な手の打ちかただと、
尊敬せざるをえないわけだが。

まー、それよりも先日のライブでスチャダラのBOSEが言った
「ロハスってお金がかかるんだよね(笑)」
の一言が、いろんな矛盾を射抜いた気がしてすごくよかった。

愛と笑いの夜

  • Posted by: KAJKEN
  • 2006年5月18日 11:11

誕生日のエントリー以来、まったく更新もせずでね。
オマエはどんだけ自分が好きなのかと、
自己顕示欲の塊かと、
ミートローフかと、
思われた方がいてもおかしくない。


でもね、実際結構忙しかったんですよ。

ま、じゃあブログなんて書くなよってな話もあるかと
思いますが、それはいいっこなしよ。


言い訳しててもはじまらないので、
最近読んだ本を幾つか。

Continue reading

Put the book back on the shelf 2

  • Posted by: KAJKEN
  • 2006年4月10日 02:13

音楽 三島由紀夫

三島由紀夫の代表作。
ではなく、むしろ亜流というかニッチ系、枝葉的な作品。

都内で精神科医(カウンセラー)を営む汐見和順の手記という
体裁で書かれたサスペンス風の作品。
汐見のもとに訪れたのは不感症の女性で、その原因をカウンセリングするうちに、
医者自身が非現実的世界の深い森に紛れ込んでしまう、、、というような内容。

解説に女性誌に連載していたってあるけど、
読者層を意識してか非常に読みやすいので、三島文学アレルギーの人にもおすすめ。

終盤の展開は、連載らしくやや冗長なきらいがある。
なんといっても始まりから中盤あたりまでの医師とミステリアスな女患者のやりとりが秀逸。

ちなみに新潮文庫の三島作品の装丁、僕は肯定派!


「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか? 村上春樹 絵・安西水丸

村上春樹が読者からのたわいもないメール質問に答える脱力系ムック。
おなじみのコンビでお届けされるゆるめの内容に仕事上のミスとか
ぱっとしない日常とか忘れて、ほっとすること請け合いです。

村上さんの、クールな態度をとり続けながらも、
なんだかんだいって世界や人々を信じている姿勢を見るにつけ
「村上春樹でこうなんだからオレもちゃんとしなきゃなー」と、
世の中に対して前向きな気分になれます。


村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。 佐藤幹夫

三島、村上ときて、この本です。
新書なんだけど鹿児島の空港で買って、
帰りの飛行機の中でほとんど読んでしまいました。

村上春樹を三島文学の系譜として分析するアプローチは、
これまでにはありそうでなく、興味深かった。

筆者もその着眼点にはそうとう自信があったようで、
ことあるごとにそのことをやや自慢気に持ち出してくる。
いや、それ自慢されてもって感じなのだが。

が、内容としては比較的ありがちな、
初期村上作品を重箱の隅をつつくようなやり方で読み込むというもの。

目のつけどころがよかった割には、掘り下げが甘くやや消化不良。
だけど、この本を読んでまたいろいろと読み返してみたくなりました。


そして今は、スチュアートダイベックの『シカゴ育ち』を読んでますが、
これ超良い。

帯にかかれた翻訳家の柴田先生の一言
『いままで自分が訳したなかで最高の一冊』にはノックアウトされました。

うさぎ!

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年12月12日 02:20

小沢健二の連載がひっそりとはじまりました。

季刊誌「こどもと昔話」という非常にインディーズな雑誌ですが、渋谷のパルコブックセンターでは、平積みになってました。(ちなみにこの雑誌の編集者は小澤俊夫氏、他でもないオザケンのパパです)

かつて「渋谷系のプリンス」と言われていた「LIFE」期の小沢さんですが、僕は個人的には1stの「犬キャラ」と「指さえも」以降のシングル群が好きでした。今でも時々iPodで聴いてますが。

それにしても「小沢さん」っつったら今は「あま〜い!」の方ですよね。

友達に聞いた話だと、実はこっちの小沢さん、安達祐実の大ファンで写真集まで持っていたとか・・・。

まさか相方の奥さんになっちゃうとはねぇ。

って、話がそれましたが小沢健二の「うさぎ!」。
資本主義を切り裂く物語を、「昔話的文体」で書こうとしています。

「en-taxi」誌での例の連載が終了した今、季節の変わり目を楽しみにできる連載の登場に歓びを感じています。

美のアリバイ、衝動の行方

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年11月16日 02:39

いやー、なんか
「アートってさ」つって、現代美術の話とか、したり顔で喋りだす建築学部出身の人とかっていやよねー、とか言いつつも、結局ポップアートとか写真展とかに興味をそそられてしまう自分もどうかと思う。

本当はよくわかってないのに、ついついみんなして、知ったようなこと(見当はずれなこと)を言いたくなってしまうのだ。

そんな時はぐっと言葉を飲み込んで、まずは芸術家が書いた本を読もう。

Continue reading

Put the book back on the shelf

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年10月11日 01:27

東京奇譚集 村上春樹

村上春樹の短編を書くテクニックに関しては、もはやレイモンド・カーヴァーやジュンパ・ラヒリと同クラスなのではないかと思う。特に面白かったのは「蜂蜜パイ(神の子供たちはみな踊る)」の続編と思われる「日々移動する腎臓のかたちをした石」。登場人物の心象の描写は見事。それと中年の女性の描き方が巧くなっているのは、作者自身の中年度合いが増しているからなのだろうか。中年になるのは仕方ないけど、中年度合いが増しているのは、ショックといえばショック。あと小説のなかで「胡乱(うろん)」という言葉が出てきて嬉しかった。(もちろん「うろんな客」をおもわず思い出してしまったため)


こころ 夏目漱石

リリー・フランキーの「東京タワー」を読んだ某同僚が、「これは漱石を超えたね」と発言していたので、そういえば「こころ」ってどんなだっけと思い、あらためて読んだ。昔読んだ時ほど、暗い印象はなかった。この本のポイントは、印象深い第3章で終わるが故に忘れがちな事実、つまり僕が父ではなく先生の死を優先し、その真偽を確かめるべく電車に飛び乗ったということだと思う。この本を読むと人気のない海で沖に向かって泳ぎたくなる。

世界は密室でできている。 舞城王太郎

グロテスクな描写さえ苦手じゃなければ、できるだけ若いうちに読んだ方がいい。ラストシーンがあまりに感動的すぎて、読後にぼーっとしていたら風呂でのぼせた。


週刊石川雅之 石川雅之

この切り口の豊富さと世界観構築力には脱帽です。どこかの会社のクリエイターはこれ買って読んで勉強した方がいいんじゃないかな。現在イブニングで連載中の「もやしもん」も微生物萌えで面白し。

90年代最高の文学作品としての「僕といっしょ」

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年9月11日 16:39

僕が敬愛してやまない3大ポップカルチャー時評家のひとり、佐々木敦氏の最新批評本「ソフト&ハード」が刊行されました。みなさんご覧になられましたでしょうか?(ちなみに残りの2人は福田和也氏スージー鈴木氏です)

1995年から2005年までの、映画〜音楽〜文学等のあらゆるカルチャークリティックスの膨大なテキストを収録したもので、この1冊でこのディケイドの文化的現象が(かなり限定的/局地的ではあるにせよ)きっちりとおさえられる内容になっています。

なかでもとりわけ感動を禁じ得なかったのが、「古谷実論」でした。

これは「僕といっしょ」→「グリーンヒル」→「ヒミズ」→「シガテラ」に至るまでの古谷実の「実に分が悪い、世界との対峙」についてを、極めてロジカルに思い入れたっぷりに論じたもので、あらためて古谷作品の奥深さに気付かされること請け合いです。

それにしてもこの本を読んであらためて、僕はまだまだ本を読む量も、音楽を聴く量も、映画を見る量も全然足りてないなぁと思いました。

金と時間が欲しいぜ。
(浴びるようにね)

おとこのなかのおとこ

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年7月 1日 21:59

Night on the planet

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年5月17日 02:21

「地上の夜」という曲の中で、小沢健二は、この地球における時間の概念は、星と自分との位置関係の中で説明できるということを、白昼夢的なイメージの羅列と、シンプルなギターソロの反復によって表現した。

時間と星の動き(天体の規則)の関係性、あるいはその連動性について考えると、そのあまりにも壮大な仕組みにクラクラしてしまうが、恩田陸の「夜のピクニック」はまさにこの「地上での時間の流れ」についてを、真摯に真正面から描いた小説だといえよう。

Continue reading

メディアの中の村上春樹

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年4月11日 01:22

先日のen-taxiですが、09号にしてそれまでの1コインプライスから、いっきに740円まで、鬼のように値を上げてきましたね。

ここで心ない読者であれば、「ざっけんなよ」と舌打ちひとつ。乱雑に本を戻して、立ち去るかと思うのですが、僕は敬虔なリリー・フランキストであり、福田和也イズムの継承者ですので、もちろんちゃんと買いましたよ。740円なんて、僕にとってははした金ですからねぇ。

話がそれてしまいました、も、なにもいきなりズレたところから話を始めたのでそれたもへったくれもないのですが、表題に戻ると、今回の号は個人的にはこれまでで最も素晴らしく充実した内容でした。特にタイトルに書いてある通り、村上春樹についての批評が大変興味深かったです。

Continue reading

もうひとつの『東京タワー』

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年4月11日 00:44

『en-taxi』、僕が毎号発売を楽しみにしてやまない雑誌です。

先日発売された最新号09号をもって、創刊から連載されていたリリー・フランキーの『東京タワー』が完結しました。リリー氏はen-taxiの同人4名の一人でもあります。

世間ではついぞ江國さんの『東京タワー』が話題になったけど、不倫とか浮気とかあるいはその両方とか、そういったフワフワしたドリーミィな小説ではなく、このリリー氏の小説は凄まじいリアリズム、ドキュメンタリズムに満ちた作品です。

Continue reading

『対岸の彼女』の対岸で。

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年3月 8日 18:16

後輩から本を借りた。
曰く、「この本、女心がわかるすよ」。
お前ついこないだ彼女にふられとるやないかい、
と喉元まで出かかったセリフを飲みこみ、
「お、そう。読んでみるわ」といって借りたのが、これ。

『対岸の彼女』 角田光代。本年度の直木賞受賞作です。

Continue reading

Paint it Black.

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年3月 3日 02:18

「ちびくろさんぼ」復刊決定!

非常に喜ばしいことです。世の中には「差別」に過剰に反応する人が結構沢山いて、別に彼らのパーソナリティを否定する気はないんだけど、本質的じゃない部分で騒いでいたりすることを残念に思うことがよくあります。

例えば文庫版手塚マンガの奥付には、必ず「このマンガには黒人が出てきますが差別ではありません云々」みたいな文章がついてる。だけど、明晰なアタマとまっすぐなスタンスで読めば、そのマンガが差別を目的として書いてないことぐらい誰にでもわかるはずです。なんですかね、こういうことを規制してしまう無粋さというのは。明らかに本質を見落としてしまっている。このちびくろさんぼもしかりです。

だいたい、トラが木のまわりを回っているうちにバターになっちゃうなんていう気の利いた話が、今まで、不当に、絶版になっていたということ自体が、いかに差別に関する認識が歪んだものであったかということを示している気がしてなりません。

Continue reading

僕たちの時代

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年2月15日 04:30

週末に図書館に立ち寄った。

借りた本は3冊。
そのうちの一冊が『僕たちの時代』(田中康夫)です。

田中康夫の本って、今現在すごく手に入りにくい。おどろくほど絶版で、たぶんこの本もそうなんだと思う。ぱらぱら読んだ感じではすごく面白そうだし、消費文化についての洞察は一貫していて、今読んでもかなり本質を語っています。

Continue reading

第一文型

  • Posted by: KAJKEN
  • 2005年1月12日 12:46

僕は普段新書をあまり読まないのですが、最近薦められて読んだのがこれ。
『上司は思いつきでものを言う』 橋本治
タイトルが秀逸です。

これをオフィスの机の上に置いておくだけで、もうすごい逆パワハラになるんじゃないかっていう。チームのみんなが一冊づつ持っていたら上司は相当凹むこと請け合いっていう。(ちなみに僕の上司は、思いつきでものを言わない、素晴らしい御仁です)

Continue reading

Index of all entries

Home > 本 Archive

Search
Feeds

Return to page top